「電気」★★
数人で先輩の家に集まり、飲み会をした帰り道。
ふと先輩の家に忘れ物をしていることに気付いて、
急いで取りに戻った。
酔い潰れてそのまま寝てしまったのか、
部屋の鍵は開いたままで中も真っ暗だった。
入り口から近い場所に置いてあったので忘れ物はスグに見つかり、
「寝ているのに起こすのは悪いかな…」
と、そっと部屋から出ていった。
次の日
たまたま近くを通りかかると先輩のマンションの周囲に
人だかりが出来ている。
不思議に思い、近くにいた警察に
「何かあったんですか?」
と聞くとマンションの住人が殺されたらしい。
話を聞くうちに先輩のことだと分かり、蒼白な顔で後輩だと告げると
警察がポケットから一枚の紙片を取り出した。
「じゃあ、この意味が分かりますか?現場に残されていたんですけど」
それはポラロイド写真だった。
恐々と覗いた写真に、思わず悲鳴を上げかけた。
真っ白な先輩の部屋の壁。
そこには真っ赤な…
おそらく血文字でこう書かれていた。
『電気をつけなくて良かったな』