
〜第41夜〜
「キャンプにて」
友人とキャンプに行ってきた。
遊び疲れてブラブラ一人で歩いてると結構長い吊り橋を発見した。
下は川で、落ちたらひとたまりも無い様な高さになっている。
スリル感を味わいながら渡ってると、いきなり踏み板が外れ転落!
幸い転落防止用のネットに引っかかり事なきをえた。
すると、悲鳴に気付いた友人が急いで助けに来てくれた。
「いや、本当に死ぬかと思ったよ」
すると友人はこう言った。
「大丈夫だったか?ホント、ロープ位修理して欲しいよな」
〜第42夜〜
「儀式ごっこ」
私が小学生の時の話
ちょっとした奇妙な遊びが流行っていた。
その名も「儀式ごっこ」
暗闇の中で机に火のついた蝋燭と鈴を置く。
4人でその机を囲んで手をつないで輪になり、目を閉じて死んだ人の名前を
心の中で何度も呼び続けると霊がそれに答えて鈴をならすという、ちょっとした降霊術だった。
私と仲間の3人は一ヶ月前に事故で死んだクラスメイトのTの名前を使って「儀式ごっこ」をする
事にした。
夜の学校に集まりTが使用してた机に火を灯した蝋燭と鈴を置き、手を取り合った。
準備は整った。
「じゃー電気消すよ」
真っ暗になった教室を蝋燭の火がわずかに照らす。
私は目を閉じてTの名を呼び続けた。
鈴の音はしなかったがだんだん怖くなってきた。
気のせいか仲間が強く私の手を握ってきた。
みんな怖いのだろう…
二重の暗闇が怖くて目を開けたくて仕方なかった。
けれどもしTの幽霊がいたら…
結局儀式はわずか3分で終了した。
何かあってからでは遅いし…
私達とTはそんなに親しくなかったから話すことも何もなかったし…
後日、その日の事が担任の先生にばれて、こっぴどく怒られた。
「儀式ごっこ」は禁止となった。
〜第43夜〜
「違和感」
少年が小学校から帰宅した。
「ただいま」
少年はランドセルを自室に置くと、リビングへ直行した。
台所では、トントントンと包丁を叩く音が響いていた。
少年は16:00〜19:00までビデオゲームをしていた。
覚えている限り、少年は2度トイレへ行き、ゲームの攻略法を聞きに、
台所前の廊下(玄関から続く)にある電話の子機を取りにリビングを離れた。
ちなみにゲームをしていた時刻は概算ではあるが、少年はほぼ間違いないと言っている。
「お母さん、今日の夕飯なに?」
少年はテレビに目を向けたまま、母親にたずねた。
母親は料理の準備をしているのか、返事もせず包丁で叩き続けていた。
少年は母親はあまり機嫌がよくないと思い、無視されても気にしなかった。
ゲームに飽きた少年はテレビ番組を見つつ、19:35あたりに風呂に入ろうとした。
風呂釜には水も張っておらず、文句を言おうとしたがやめたという。
風呂がわきテレビを見るのをやめ、20:00ほどに少年は風呂に入った。
風呂場で遊びながら、少年は空腹を感じたという。
風呂からあがって上半身裸のまま、少年は台所へ向かう。
「お母さん、晩ご飯まだ?」
少年はそのとき、初めて違和感に気づいたという。
「……おばさん、誰?」
〜第44夜〜
「マイナスドライバー」
私がまだ4〜5歳の頃の話です。
当時家には風呂が無く、よく母親と銭湯に行っていました。
まだ小さかったので母と女湯に入っていました。
或る日のこと、身体を洗った後飽きてしまった私は、湯船の
中でプールよろしく遊んでいました。
今迄気付かなかったのですが、湯船の横から階段状になりドア
が付いているんですね(何処もそうなのかも知れません)。
私はふとそのドアが気になって段々を昇りドアの前まで行った。
ドアノブの直下に大きな鍵穴があるのです。
ワクワクして覗きました。・・・・・向こう側は何かに覆われて見えない。
なんだ、ツマらない。いったん顔をあげました。
何を思ったかもう一度鍵穴を覗き込んだのです。
ぼんやりとした明かりの中、ボイラーとおぼしき器械が見えました。
おわースゴい。夢中になって覗いていました。
ドアの向こうの気配、それとも何かが知らせてくれたのか…
突然、私は目を離し身を引いたのです。
そして次の瞬間、鍵穴からはマイナスドライバーの先端が狂ったように
乱舞していました。……
私は息を呑みそこを離れ、コワくて母親にさえ話すことが出来ませんでした。
〜第45夜〜
「NHK教育TV」
多分幼稚園の頃だと思う。
NHK教育TVでなんか人形とおじさんが出てくる番組を見ていた。
おじさんが「どう?わかったかな?」と言ったので
TVの前で「わかんない」とつぶやいた。
するとおじさんが「そうか、わかんないか…」と言って
こっちを見つめたまま動かなくなった。
30秒くらい目を合わせた後怖くなって台所にいる母親のところにいった。
怖くて説明できずにエプロンにしがみついて震えていたのを覚えている。
〜第46夜〜
「エレベーターの少女」
数年前の話。
とあるマンションのエレベーターが何故か動かなくなって、管理側もそれに
気付かず中にいる男と少女が閉じ込められるっていう事件があった。
閉じ込められた状態で5日間過ごしたんだけど、ついには耐えきれなくなって
無理やりドアから脱出しようとしたんだって。
当然少女もたすけなきゃならないから少女をおぶって出ようとしたらしいんだけど、
途中で少女が落ちそうになって、男が少女の腕を掴もうとしてそのまま落ちました。
で、エレベーターが復旧して、中にしばらく生活していたような跡があったから
警察が調べてみたらエレベーターの一番下ってか底で男が重体の姿で発見され、
保護されたんだけど、その横には白骨化した少女の遺体があったんだって。
男は生きてたのに、少女だけ白骨化してたんだってさ。
男が少女を食べたりしたわけじゃなくて。
閉じ込められた時の監視カメラの映像には男しか映ってなかったらしいけど…
〜第47夜〜
「鼻歌」
現在も住んでいる自宅での話
今私が住んでいる場所は特に曰くも無く、昔から我が家系が住んでいる土地なので
この家に住んでいれば恐怖体験は自分には起こらないと思っていました。
ここ最近ですが、リビングにいると昼夜を問わず、
女性の低い声で鼻歌が聴こえてきます。
「ん〜…ん〜ん〜…」
最初はよ〜く耳をすまさなければ気づかないほどに遠くから聴こえてくるのですが、
放っておくとどんどん近づいてきます。
「ん〜…ん〜ん〜…」
それでも放っておくと、意識を集中しなくても聴こえるほどに近づいてきます
「ん〜…ん〜ん〜…」
なので私は、その声に気づいたらいつも般若心経の最後の部分を
繰り返し唱えるようにしています。
とにかく般若心経の「ぎゃーていぎゃーてい」のくだりを唱え続けると、
声はだんだん遠ざかっていきます。
このリビングではテレビにも集中できません。
声が聴こえ始めるのは完全に不定期ですし、早く声に気づいて
般若心経を唱え始めなければ、時としてそれは部屋にまで入ってきます。
「ん〜…ん〜ん〜…」
そういえばこの前、大好きなバンドのニューアルバムが発売されました。
発売日を楽しみにしていたので、お店で買った時はもうテンションアップ!!
さっそく家に帰ってヘッドフォンで聴いて、一通り聴き終え、
よかったな〜と余韻に浸りながらヘッドフォンを取ったら耳元で
「んーーーーーーーーーーーーーーー」
って。
〜第48夜〜
「ある男の嘆願」
いきなりですみませんが私の悩みを聞いていください。
悩みというのは妻のことなんですが、実は最近妻がとても冷たいのです。
原因は2週間前の喧嘩で、始めは軽い口論だったんですが、私も妻も徐々に
エスカレートしていき、お酒も入っていたせいか、ついカッとなって手を上げて
しまったんです。
そこで我に返った私は殴ってしまった罪悪感からその場から逃げ出したくて
車で家を飛び出しました。
そして次の日家に帰ると、案の定妻は怒っていて布団に入ったまま
口を聞いてくれません。
それから今日に至るまで会話はもちろん、料理など家事もしてくれません。
妻は寝室にこもったまま、どうやら食事もとっていない様子。
ごみはたまる一方で何か生ごみくさいです。
しかも喧嘩したその日から、バスの順番待ちで横入りされたり、レストラン
ではウェイターがいつまでたっても来なかったりと立て続けにイライラする
出来事が起ります。
そして不幸が重なるというか、仕事もうまくいきません。
今日は幽霊が見えるという子供のカウンセリングに行ってきたのですが、
私が近づくだけで泣いてしまって仕事になりませんでした。
どうか皆さん、妻と仲直りする方法をいいアイディアを教えてください!!
〜第49夜〜
「自動車事故」
男2人、女2人が深夜のドライブに出かけた。
この4人は最近出会ったばかりで、男達は少しでも自分達に女の気を惹きたいと考えていた。
そこで男達は、心霊スポットに行かないかと言い出した。
真夜中の密室で、少しでもお近づきになりたかったのだ。
女達はあまり乗り気ではなかったが承諾した。
その心霊スポットは海岸沿いをしばらく走った後にある。
海岸沿いを走っている時は夜の海もキレイで、ドライブを楽しんでいた。
だが、しだいに道は険しくなり、車の数も減っていく。
雰囲気も徐々に怪しくなっていく。
ここで運転していた男Aが調子に乗ってアクセルを踏み込んだ。
「キャハハハー!」「やめなよー!!」
そんな事も言い合いながら4人は楽しんでいたはずだった。
だが、次のカーブを曲がりきれず、車はガードレールに突っ込んだ。
男Aが目を覚ました時、そこは病室だった。
「あっ、起きた!」
「よかった」
他の3人が男Aのベットを囲んでいた。
幸いにも4人は無事だったのである。
男Aは泣きながら謝った。
「調子に乗ってごめん」
他の3人は、怒りながらも無事だったんだから、と言った。
そんなことがあっても4人は休日一緒に遊ぶなど仲がよかった。
けれども、あの日以来、4人で遊んでいる時に男Aの様子が少しおかしいのだ。
すれ違う人が、奇妙な目で見てくるのだという。
他の3人は「心霊スポットでふざけるから、何かに祟られたんじゃないか」何てからかっていた。
男Aはしばらくその事を気にしていたが、次第に気にかけなくなっていた。
それから日は経ち、ある日の休日、4人は遊んだ帰りの車の中だった。
男Bが
「そういえば、あの事故からちょうど1年ぐらいだね」
と言った。
女達が
「あったねそんなこと。あの時は死ぬかと思ったよー」
それに対し男Bが
「なぁ、もう一回あの場所に行ってみない?あの時、結局最後までいけなかったじゃん?」
と言い出した。
男Aはあの事故の責任を感じていたので、あまり乗り気じゃなかったが、他の3人が「行こうよ!」というので仕方なく車を走らせた。
道中は1年前と同じく穏やかだった。けれども次第に口数は減って言った。
男Aが確認すると、他の3人は疲れからか、寝ていたのだった。
仕方なく男Aは一人で音楽を聴きながら車を走らせ、あと少しで事故現場というところまで来たので、3人を起こそうとした。
男A
「おーい、起きろよ」
…返事はない。
次の瞬間、男Aはパニックになった。
ブレーキがきかないのである。
「ちょっとお前ら起きろ!ブレーキがきかない!!」
「おい!」
と叫びながら横を見た。
三人の顔が真横にあった。それも笑っている。
そしてぽつりと男Aに向かって3人は言った。
「何でお前だけ生きてんの?許さないから」
車は1年前と同じ場所で事故を起こし、車は大破した。
翌日、新聞のニュースで訃報が流された。
〜第50夜〜
「ひき逃げ」
ひき逃げにあって入院をしていたが、やっと退院できた。
仲の良かった友達が家に遊びに来た。
「病院にお見舞いにいけなくてごめんな」
「気にしないでよ」
「犯人の顔見たのか?」
「いや〜、いきなりだったから覚えてないんだ」
「そうか」
「お前も気をつけろよ」
「あぁ、じゃあそろそろ帰るわ。今度はちゃんとお見舞いに行くからな」
「ありがとう」
ヒント
第41夜
この友人はなぜ原因を…?
第42夜
誰が電気を消した…?
第46夜
この少女は最初からこの世の者ではなかった…?
第48夜
妻の安否が気になります…
第50夜
友人の言葉「今度は…」?