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〜第71夜〜

「僕の彼女」

みてくれも悪く、なにをやっても上手くいかない…
そんな僕にも、この前やっと初めての彼女ができた。
正直言って、僕なんかには勿体無いくらい美しい。
優しいし、細やかな気配りもできる人だ。
彼女は大学生だか僕は社会人なので、そういつも会えるわけではないが、
毎週月曜日にはいつも僕の為に食事を作ってくれる。
しかし、何でもこなす器用な彼女だが、料理だけは苦手なようだ。
ここだけの話、いつも美味しいと言って食べてはいるが、
正直まともに食えたものではない。
彼女よ、いくらなんでもペットフードを人間の食べ物の食材に使うのは無理があるぞ…

この前、彼女と夕方に近くの並木通りを散歩していた時、
ふと彼女が、ちょっと困ったような顔で、「ねぇ、私幸せになれるかな…?」と呟いた。
「なれるさ、きっと僕がしてみせる」
そう僕は答えた。
その時の、夕日をバックに髪を風になびかせながら振り返る彼女の美しい姿は
今もこの目に焼き付いている。

そんな幸せな日々も長くは続かなかった。
最近になって、彼女はため息をついたり、何か落ち着かない様子が多くなってきた。
僕は心配して彼女の相談にのってあげようとしたが、結局彼女は何も話してはくれなかった。
原因はすぐに分かった。
どうやら他の男と浮気しているらしい。相手は彼女の大学の先輩のようだ。
悲しみと怒りが一気に込み上げてきた。もう何もかもおしまいだ…
彼女を殺して僕も死のう…それしか、あの二人だけの楽しかった日々に帰る方法はない。

僕は包丁を持って彼女の家に行った。彼女がドアを開けた途端、僕は彼女に切りかかった。
彼女は泣きながら傷ついた腕を押さえ、部屋の奥へと逃げた。
初めは「許して…許して…」と言っていたが、覚悟を決めたのか、急に大人しくなった。
そして、恐怖に怯えた顔でこう言った。

「最後に…一つだけ教えて…」

僕はゆっくりと頷いた。

「…あ………な……」

彼女は震える声で、こう尋ねた。そして僕は全てを悟った。





「あなタハ…ダ…レ……?」


〜第72夜〜

「お化け屋敷」

夏休みって事で彼と遊園地のお化け屋敷に入った。
とにかく私は怖がりで、中が真っ暗なだけでもうガクブル。
彼の腕を肘ごと抱え込んで、目もつぶって俯きながら歩いた。
彼に胸が肘に当って気持ちいい!とか言われたけど、恐くて怒る気にもなれなかった。

彼は「こんなん作りもんじゃん」って言うんだけど、私はもうキャーキャー叫びまくり。
目をつぶってて何も見えないから彼がたまに「うわっw」とか言うだけでビクビクしてしまった。
最後の方なんて「もう少しだから頑張れw」なんて彼に背中をさすられながら 半泣きで、何とか出口まで歩いた。
外に出て彼の腕を放すと、くっきりと私の手形が付いてて どんだけだよ自分!とあまりのへたれっぷりに笑ってしまった。



〜第73夜〜

「深夜のドライブ」

昨日ドライブ中に心霊スポットで有名なトンネルに行こうということになったんだが
細かい道とか分からなくて、適当に進んでたから、行き止まりになった。
またその道を戻る、また行き止まり…みたいな感じを繰り返してたんだ
ある道を通ってた時に落書きしてる看板があって、一応その心霊スポット以外にも、
来た証拠みたいなのを残したくてその看板の写メをとった。

撮ってすぐ後に一台黒い軽がおれらが進む方向に通り過ぎたんだけど
友達が「あの車、人乗ってなくなかった?」

っていったんだが、よくある外から見えなくなるフィルム?みたいなのだろ、
と残りの二人に突っ込まれて「あぁ!そんなのあったな!」と納得していた。

結局その後その道進んで行ったが一本道で、この先のダムにはいると法的に罰せられますって
感じの看板と鎖で鍵をされてるフェンス以外なにもなかったので、来た道を戻った。

トンネルは結局見つけられず、帰りに外環沿いにあったうどん屋でうどんを食って解散した。

深夜のドライブはおもろしろいよな。


〜第74夜〜

「落としたケータイ」

ケータイを落とした!と気づいたときにはもう遅かった。
自宅の乗り換え駅から電車に乗ってしまった後だったからだ。
乗り換える前の電車では確かにあった。
ということは乗り換えの駅と駅の間で落としたことになる。
私は誰かが拾って警察に届けるなりしてくれていることを願った。
大学に着いてから友達のケータイを借りて自分のケータイにかけてみた。

プルルルル…ガチャッ
「もしも…っ!」
ガチャッ…プーッ、プーッ。

一度繋がって男の人が出た。
警察の人か誰か拾ってくれた人だと思って安堵したのもつかの間、すぐに切れてしまった。
それ以来つながらなくなった。

帰りに警察に行ってみたが、届けられていないようなので一時的にケータイを止めて帰路についた。

マンションに着いてオートロックを開ける。
一人暮らしだから固定電話は引いていない。

急に寂しくなった。
部屋のカギを開けドアを開けるといつもどおり真っ暗な玄関と観葉植物が迎えてくれた。
そういつもどおりだ。
ふと部屋中央のテーブルを見るといつも置いてある場所にケータイがあった。
家に忘れただけだったのか。

私は急に恥ずかしくなりすぐに友達に謝罪と報告の電話をかけた。


〜第75夜〜

「彼女との楽しい時間」

自宅で彼女といる時、つい疲れていたので寝てしまった。
気がつくと、部屋は真っ暗。
どうやら日が落ちるまで寝てたようだ。

隣を見ると、彼女が居ないことに気付いた。
同時に、バリバリくちゃくちゃと物を喰う音が聞こえて来た。
暗くてよく分からないが、彼女は椅子に座って何か食べているようだ。

俺:「おい、なんで電気つけない?」

彼女:「……ウチも今起きたん。お腹空いた〜」

俺:「しかしまぁ、、、今日は悪かったよ。急に寝ちゃって」

彼女:「ううん!別に気にしてないよ。ねぇ…

ウチのこと好き?放さない?」

俺:「あたりまえだよ。お前以外はありえんわぁ」

その時…

枕元の携帯が鳴った。こんな時にシラケるだろうが、何だぁ?


【題名】RE
【本文】起きた?今夕食買いにコンビニに行ってんだけど、何が食べたい?(>_<)


「誰からのメール?誰から?ダレカラァ?ネエ」


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〜第76夜〜

「同窓会」

私はワクワクしていた。
だって久し振りにみんなに会えるから。
だから朝からずっと笑顔だった。

(あっ、木下君、すごい痩せてる。)

(陽子、キレイになったなあ…)

(裕美、学校の先生になりたいって言ってたけど、なれたのかな)

そうして遠くからみんなを観察している私の目に、一人の男性の姿がうつった。

(園田君…)

園田君は当時、私が憧れていた人だった。
この人に会いたくて私は…。

だって彼、仕事が忙しくて、前の同窓会には来てなかったから。
同窓会じゃダメだと思ったから。

園田君が来ている事を知った私は嬉しくて、ついニヤけてしまった。

ふと奥の方を見ると、ユキの顔が見えた。

(フフッ、ユキ、笑ってる。嬉しそうだね。みんな来てくれたんだもんね。
ごめんね。ヒヒヒッ)

私は園田君の事を想いながら、そっと手をあわせた。


〜第77夜〜

「テレビ電話」

念願のテレビ電話をついに購入した。

つい先ほど、初めて友達とテレビ電話して楽しんでいた。

楽しく話ししてたのに、いきなり友人が怖い顔で叫んで切れた。

急いでかけなおしても電源切れてるし、心配だ…


〜第78夜〜

「精神科医」

俺の職業は精神科医なんだが、この前ゾッとするようなケースに遭遇した。

俺の家の隣に、60代の夫婦と30歳ぐらいのその息子の三人家族が 引越して来た。
息子はいわゆる引きこもりらしく、その姿を見かけることはあまりなかった。
まー、その家族の口からは聞けないが、 そういう世間体とか気にして越して来たんだろう。
その息子は日が経つにつれ、外に出る回数も減り、 いつしか全く部屋から出て来ない。
完全な引きこもりになってしまった。
毎晩のように、息子の部屋から母親の怒鳴り声が聞こえる。
玄関先で母親に顔合わせたりすると、 笑顔で挨拶してくれるが、明らかにやつれて来ていた。

隣の息子を見なくなってから、半年くらい経ったある日、隣の父親の方が 「明日家の方に来て欲しい」とお願いしてきた。
個人宅に訪問して診察したことはなかったが、 近所付き合いもあったし、了承した。
そして次の日、その家を訪れると夫婦揃って出迎えてくれた。
「こちらです」と母親に案内され、息子の部屋の前まで来た。
母親が「開けるわよ!」とドアを開けるなり、「いつまで寝てるのよ!」と 大声をあげながらベッドの布団を剥いだ。
その姿を見たとき、俺は驚愕した。
ベッドには、顔のない裸のマネキンが1体横たわっているだけだった。
そして、父親にこう言われた。


「診て欲しいのは、現実を受け止められない私の妻です」


〜第79夜〜

「エレベーター」

夜中にコンビニに行こうと、友達と二人でエレベーターに乗っていた。
すると6階で誰もいないのにエレベーターが開いて「誰だよ〜」とか言いながら
閉めるボタンを連打してドアを閉めて動きだした時に、女の人が凄い形相で
ドアに迫ってきた。
友達とめちゃくちゃ焦って、固まってたら2階でまた止まった。
次はちゃんと人が乗ってきた。
友達と安心した俺は、コンビニへ行き用事を済ませた。

次にあがる時は違うエレベーターを使った。
次は何も起きなかった。
部屋に戻ると、さっきのエレベーターの話をすることになった。
「あの女はなんだったんだろうな?」
「もしかして幽霊か?」
など言いながら盛り上がってると、ふと思ったことがあった。

「2階で乗ってきた人、変じゃなかった?」

確かに2階なら階段を使ったほうが早いし、あの時は何も思わなかったが、
息切れしているようだった。
1階についたときもすぐに出て行ったし、何より俺達2人はその人の顔を見ていなかった。

次の日、俺達がコンビニへ向かうときに使った6階エレベーターホールで
女の人の遺体が発見された。


犯人はまだつかまってないんだってさ。


〜第80夜〜

「霊感を試す方法」

例によって、何人かで集まって怪談話しをしているとき、 そのうちの1人が言い出しました。

「今から話す方法で、自分に霊感があるかどうかが解るんだって」
「まず頭の中で、自分の家の自分の部屋にいるイメージを思い浮かべて、 そして、そこから順番に全部の部屋を覗いて回っていってもし、その途中で、 どこかの部屋で、自分以外の誰かに会ったら、霊感が強くて、 見える時には見えちゃうんだって」
で、その時はその話しを聞きながら、みんな試してみたそうですが、 誰も「出会った」人はいなかったそうです。

ところが次の日、その中にいた1人が、こう打ち明けてきました。
「実は、私、あの話を試してた時に、会っちゃったんだ…。
部屋に行ったら見たとこもない男がそこへ座り込んで、私を睨んでいたの…
その時はちょっとびっくりしただけだったんだけどね…。
でも、その日、家に帰って、その部屋に行ったら、その男が同じ場所に 座り込んで、私をじっと睨んでたの…」



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ヒント

第72夜
彼はどうやって背中をさすったのか…?

第73夜
黒い車はどこへ行った…?

第74夜
誰が電話に出たのであろう…
そしていつもの場所に置いてあったケータイ…
考えて想像すると嫌な感じですね…

第76夜
これは同窓会じゃなく…
最後の文章で手を合わせているところから気づかれた方もいると思います。
この女性は少し恐ろしいですね。

第77夜
主人公はもしかしたら、後ろを向かない方がいいかもしれませんね…

第79夜
女性がすごい形相で走ってきたのには訳があったんですね。
2階から乗ってきた男は、もう既に…

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