「人生教科書」
恋愛も仕事も何をやっても上手くいかない。
そんな彼は、ある日家の掃除をしていたら、子供のころに知らない人からもらった
手製の人生教科書を発見する。
その教科書に載っていたことは、自分の最近の出来事を振り返っただけでも、
こうしていればよかったなと思えることばかり。
驚くことにこの教科書には未来の事も書かれている。
人生が何もかも上手くいっていなかった彼はその教科書を順番に読んで実行することにした。
すると、その教科書に載っている通りに事が運び出し、人生が成功しはじめる。
恋愛も、仕事もなにもかもが充実した。
そして教科書の最後のページを読んだ主人公は絶句した。
「あなたは今死ぬべきです」
教科書にはこう書かれていた。
「なんで今死ななければならないんだ?」
今までは教科書に書かれたことを忠実にこなしてきた彼だが、そこでその教科書を破りすてた。
そこから彼にありとあらゆる災難が襲い掛かった。
そして最後には、恋人にも捨てられ借金まみれになった主人公は昔自分が
破り捨てた教科書の最後の一ページを偶然発見する。
「確かに…こうしていればよかったな」
彼はそう思いながら、首を吊って自殺した。