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「忌引き」


最近残業続きだ。
その日も残業で会社に残っていた。
すると携帯が鳴り出し、見ると実家の母からだった。
電話に出るといきなり
「○○!?おじいちゃんがたった今亡くなって…あんたこっちにこれる?」
じいちゃんは小さい頃よく遊んでくれて、俺も大好きだった。
「わかった、仕事終わったらすぐ行く。会社は明日休ませて貰う様に頼んでみるよ」
仕事を早めに切り上げ家に帰り、車のエンジンをかけ実家に向かった。
ここから実家までは夏の昼間でも3時間。真冬のこの時間なら4時間位かかるかも。

…2時間位走っただろうか。辺りはすっかり田舎で道路もアイスバーン状態。
同じ車線には俺の車だけ、対抗車もたまにすれ違うだけだ。
そんな雰囲気のせいもあり、睡魔が襲ってくる。
瞬きしただけでも眠ってしまいそうだ。
俺は眠たい目を擦りながらも必死でハンドルを握っていた。
ふと気づくと周りに懐かしい町並みが。
実家は次の角を曲がってすぐだ。
その角を曲がって実家の前に着くと家の前に誰かが立っているのが見えた。
何と死んだはずのじいちゃんだった。
訳もわからずとりあえず近寄るとじいちゃんが言った。

「お前も来たのか」





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